アルツハイマー型認知症
もの忘れには2つのタイプがあります
いわゆる“もの忘れ”には、加齢によるものと、病気(アルツハイマー型認知症等)によるものの2つのタイプがあります。
「加齢によるもの忘れ」は、年をとるにしたがって誰にでもみられるもので、人間の正常な生理現象の1つです。一方「認知症によるもの忘れ」は徐々に進行していきますが、お薬などによってその進行を遅らせることができます。
65歳以上では10人に1人が認知症
認知症の人は年々増えています。また、高齢者いなるほど認知症の人の割合は高くなります。
65歳以上では、2015年時点で、10人に1人が認知症になる可能性があるといわれています。
2015年を基準とすると、10年後の2025年には470万人と約1.4倍に増えることが予想されています。
高齢になるにしたがって認知症の人の割合は増加していきます
年齢別に認知症の人の割合をみると、65歳~69歳では1.5%ですが、年齢が5歳上がるごとに約2倍に増えていることが分かります。85歳以上では約4人に1人が認知症であるとされています。
アルツハイマー型認知症の症状
認知症の症状には、脳の神経細胞の減少によって引き起こされる「中核症状」と、中核症状によって引き起こされる「行動・心理症状」の2種類があります。中核症状と行動・心理症状を合わせて「認知症症状」といいます。
主な中核症状
脳の神経細胞の障害によって起こる症状を「中核症状」といいます。代表的な症状は「記憶障害」で、数分前に起きたことを忘れてしまうことが特徴的です。また、道筋を立てた思考ができなくなったり(判断力の低下)、時間や場所、家族の名前がわからなくなったり(見当識障害)など、さまざまな症状があります。
主な行動・心理障害
<6>中核症状によって引き起こされる症状のことを「行動・心理症状」といいます。異物を口にしたり、暴力的になったり、徘徊したりなどの「行動の問題」jと同時に、うつや不安感、無気力、幻覚、妄想、不眠といった「こころの問題」があらわれます。ものを盗られたと思い込んでしまう(妄想)のも、この症状の1つです。
行動・心理症状は、その人の性格や生活環境、人間関係などが複雑に絡み合っておこります。症状には個人差が大きく、また接する人や日時によって大きく変わります。
アルツハイマー型認知症の経過
アルツハイマー型認知症は、気づかないうちに進行し、だんだんと日常生活に障害があらわれるようになります。そのままにしておくと認知機能がだんだん低下してしまうので、早めに治療が大切です。
なお、進行の度合いは「重症度」であらわされ「記憶」「時間、場所、人物の認識」「会話」「日常生活」の変化によって「軽度」「中等度」「高度」に分類されています。